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ジャック・ベッケルの「肉体の冠 1951」

BeauMale
2011.8.31

昨晩は映画は観られなくて、さっき観たのが、ジャック・ベッケルの「肉体の冠 1951」である.原題は CASQUE D'OR (黄金の冠)である.この映画は劇場で観たことがあるが、内容は全く覚えていなかった.昔、ジャック・ベッケルの特集があって「赤い手のグッピー (1944)」、「幸福の設計 (1946)」、「エドワールとキャロリーヌ (1951)」、「現金に手を出すな (1954)」といったものは劇場で観たのであるが、普通に物語のある映画であるのに、非常に難しくてよく解らないという印象を持っていた.この監督の映画でモジリアーニをモデルとした、ジェラール.フィリップとアヌーク・エーメの演じる「モンパルナスの灯(1958)」だけがよく知られた映画なのではと思う.

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出だしに何層かの小舟に乗った男女が歌いながら川を進んできて固定キャメラに映し出される川のさざ波とゆっくりと川面を滑る小舟を観ていいると、直ぐに映画に誘い込まれる.船は岸に着けられ男女が降りたって女達を観ると彼女たちが娼婦であることが、化粧や何かで直ぐ解る.そういう物語が始まるのかと思う.男女は野外のダンスホールに入り、男達は女の紐で彼らがギャングであることが解る.ギャングの独りが昔なじみの大工をやっている男に出会い、気質であるがと一同に紹介すると、シモーヌ・シニョーレ扮する娼婦一人が、彼に一目惚れ、大工の男も同様で踊るがその後、彼女の紐のギャングと諍いになるが、その諍いは次に酒場まで持ち越され、その前にギャングの親分の所に一同集まって分け前が配られるが、親分は、シニョーレを呼んで自分のものになれと言い寄るところが映し出され、次の酒場での諍いの伏線となる.

酒場での大工と彼女の紐との諍いは、親分の言い付けで外での決闘になって大工が相手を刺し殺してしまう.大工は昔なじみの男の差し金で郊外の川の近くの何とか婆さんのいる家に匿われ、勿論、彼女と同居である.朝になって先に起きた大工が下に降りて外の井戸端でコーヒーをわかす老婆と挨拶をしてコーヒーを入れると云われて、彼が彼女はまだ寝ているといった瞬間に老婆は「まだね-」と云って視線が彼の後ろに注がれるとキャメラが切り返されて、小屋の窓が開き彼女が姿を現すがそのシーンが何とも美しい.彼はコーヒーをなみなみとつがれたお椀を彼女の元に届けて二人は唇を会わす.

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ギャングの親分は実は警察のたれ込み屋であって、刑事と会う約束であると云うところに、大工の昔なじみが、彼は絶対に売るな、そんなことしたらただでは済まないと凄んで、その後刑事が来たらその昔なじみが犯人だと売ってしまう.釣りを装って親分は大工と、シニョーレの元にもやってきて犯人は捕まったから戻っても良いと言いに来る.大工は当然ながら自首をして、昔なじみは調書に親分の名を記しあいつも情報は当てにならないという手書きの文を読んで全てを知る.二人は囚人護送車で刑務所に送られ刑務所についたところに駆けつけたシニョーレが警官にしがみつく一瞬の隙を狙って逃げ出し彼女の馬車で逃走するが、昔なじみの男の方は警官の撃った銃に当たり死んでしまう.大工は親分を追い詰めると警察に飛び込むが大工は警察でピストルを盗んで窓から逃げ場のない中庭に出た親分を何発も何発も撃って殺す.

その次の画面はまだ暗い中を馬車でやってきてある旅籠のような家に案内で彼女に付き添ってきた男と一緒に入って上の部屋に案内される.その上に上る螺旋階段が真上から映されたのは吃驚してしまう.彼女が何しに来たかは最初から解っている.早朝に公開されるギロチンを見に来たのである.彼の最期を看取りに来たのである.

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ジャック・ベッケルの映画は矢張り難しい.普通に物語を辿っていると所々ではっとする画面に遭遇する.

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