viva cinema

「ジャンヌ/愛と自由の天使」の横移動

BeauMale
2011.9.10

前日出だしをちょこっと観たジャック・リベットの「ジャンヌ/愛と自由の天使 (1994)」を観た.ジャンヌ・ダルク三部作の物語の最初の話である.最初の方を一寸見て先も見たくなって昨日改めて見直したのである.この映画は、昔、今は無き千石の三百人劇場でジャック・リベットの特集をやっていて毎週通い詰めて、忘れてはならじとどの作品も穴の開くほどほど見つめた映画である.

出だしに修道女姿のジャンヌの母親が娘が不当な裁判で殺された悲しみと恨みが述べられるシーンが入るがこのシーンは完全に忘れていた.次の画面がこれである.荷車にジャンヌと伯父が乗っている.暫くこの画面が静止したキャメラで捉えられる.

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次の瞬間ジャンヌが立ち上がり荷車から降りるのだと解って、キャメラはその方向にジャンヌを追いながら横移動するのだと思っていたら、あれれである.ジャンヌを置いていってしまう.背景の建物やらその後ろの城壁が映されその前の通行人や働く人を捉えてキャメラはなおも右に移動して城門の前の所で止まる.城門の奥には数人が馬で手前に向かって並足で進んでくる.

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城門の左右の番兵が門の中を覗いて誰が来たのか一瞬確かめたりする中にもくぐり抜けた人々が出てくる.

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一人の騎乗の騎士が姿を現したときに左手からジャンヌがキャメラに追いついてその騎士の目の前に来る.このほんの一瞬の演出とキャメラワークが昔見たときには気付かなかった.ここを観てしまったので、この先が観たくなったのである.この横移動の余り物素晴らしさに目を奪われたのである.

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その騎乗の騎士はこの砦の街の守備隊長で、ジャンヌは伯父に付き添われて隊長に皇太子に会わせてくれと嘆願に来ているのである.この前にも頼みに来たが断れ今回もけんもほろろに断られ、伯父はこののろまが、横面を殴ってでも連れて帰れといわれる.結局、ジャンヌの三度目は聞き届けられるという予言通りに許されて、部下を付けて貰い隊長から剣まで貰って何日かの旅の末皇太子に会うことが出来る.皇太子のいるシノンまでの道中の五六頭の騎馬での雪の残るどんよりした冬景色の中で進むロングの描写が美しい.

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イギリス軍の包囲するオルレアンの戦いに参戦するジャンヌは最後の城壁を攻略する際に左胸の上の腕の付け根あたりを弓で射られ、浅手であると治療を受けて立ち直るが、ここにきて初めて弱音を吐き、こうしてどうしたら良いか迷うのであるが、結局戦は再開する.

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旗を持ち先頭を進むジャンヌに励まされた兵士達の手によっって最後の砦は攻略されて、その一瞬の安堵感を得たジャンヌの上に旗がはためいている.

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ここで映画は終わりである.

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